荘園文書の世界にひたる

2009年7月4日(土)晴れ

昨日、大学で『政基公旅引付』を読んでいる

勉強会のメンバーと、

フィールドワークを兼ねて和歌山県立博物館へ

行ってまいりました。

朝8:30集合でしたが、バタバタしていて出発は9:00

高速を走り一路和歌山へ。

11時丁度に、和歌山駅で直接現地入りした

F君をキャッチした後、

秀吉が行った天正13年(1585)紀州攻めの際

水攻めにされた一揆の拠点、

太田城水攻め跡地を巡検しました。

Dsc04136

海津一朗さん編の『中世終焉』を片手に

小字図なども確認しながら歩いてみました。

とくに今回注目したのは、文書史料と

『川角太閤記』などの編纂物との符合です。

勿論、細かい点では相違は多々ありますが、

規模の大きさなどについては、共通するものがあります。

幼い頃、通い続けた小学校の背後にある

唯一の生き証人とでもいえる「出水堤防」は

やはり圧巻です。

Dsc04132 Dsc04133

未曾有の作戦であったといえるでしょう。

壮大なパフォーマンスを兼ねたこの作戦で

秀吉は中世に終止符を打とうとしたのです。

秀吉が紀ノ川から水をひくのに、使用したといわれる

宮井用水の分水口―音浦分水工―も

見に行きました。

Dsc04138 Dsc04140

丁度、水量が増えており、その勢いの凄まじさに

息をのみました。

午後から、和歌山県立博物館の企画展

「きのくに荘園の世界」の見学に行きました。

学芸員の高木徳郎さんに、ご無理をお願いして、

展示解説などをいただきました。

それにしても、村落や荘園、民衆史に関心のある

研究者にとっては、宝の山のような展示。

在庁官人が書いた荒野開発の申請文書、

カセ田荘絵図、官省符荘の百姓等カタカナ書言上状、

中世人の精神的営為、日常生活が

ひしひしと伝わってまいります。

今回は、和歌山出身の中世史研究者・西岡虎之助に

関する展示も行われており、

その生き方に感銘を受けました。

気づけば閉館時間間際。

大満足の1日でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

葦原から仏神領へ

2009年7月2日(木)はれときどきくもり

今日は朝から授業でした。

今日は九州関係の史料その他を読みました。

高良社の別宮で南筑後の重要な神社でもあった鷹尾神社に関する文書、

『筑後鷹尾別宮旧記写』所収の某下文(鎌倉遺文2155号)です。

それによれば荒野・江底・葦原を開発し、

鎮守大菩薩の修理料田とするという申請です。

前回もそうでしたが、

葦原が重要な開発用地であったことがよく分かります。

修理料田に寄進するというのは、勿論信仰的な意味合いが

第一義にありますが、それと同時に仏神へ寄進することによって、

免田とし、開発者の得分も確保するという

目論見があるのでしょう。

建保年間の史料ですが、中世的荘園のあり方を

よく示していると思います。

理論上の問題で処理するのではなく、

仏神への信仰と、経済的な問題をもっとつなげて

理解することが大切であると感じました。

ちなみに、鷹尾神社の紹介は

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

http://www.educ.pref.fukuoka.lg.jp/bunka/cgi-bin/detail/detail.cgi?number=219

| | コメント (0) | トラックバック (0)

学会案内

2009年7月1日(水)雨

大谷大学のOB・現役生で構成される

学内学会「大谷大学日本史の会」が

7月25日(土)に開催されます。

友人で後輩の山本琢さんも報告をされます。

今から楽しみにしているのですが、

ご関心のある方は、以下のHPをご覧くださいませ。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

http://www2.otani.ac.jp/~history/topic.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

部屋干し

2009年7月1日(水)雨

ここ数日、雨のため洗濯を放置していたのですが

さすがに溜まってきて、着替えも底をつきかけ

限界になりましたので、とりあえず

すぐにでも必要なものだけ、最低限の量を

洗濯し、部屋干ししました。

この時期何が辛いかといって、

これが一番辛いですね。

朝から洗濯をした後、慌てて大学に赴き、

抱えている仕事にかかわりました。

原稿の校正、チラシの修正、打合せなどなど

でも、やることがあるから、元気に頑張れるのでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

出会う

2009年6月30日(火)雨

今日は朝から某研究所にお邪魔し、

調査のお手伝いをいたしました。

それにしても暑く蒸せる日が続きます。

今日は、Sさん、Oさん、Kさん、A先生……

いろんな人に出会えました。

皆さんそれぞれ、全く違うところでお会いして

知り合いになれた方々ですが、

こうやって出会うことで、いつも元気をいただきます。

さて、今週はどんな1週間になるのやら。

(すでに2日間が過ぎましたが……)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

葦原はどちらのものか

2009年6月25日(木)はれ

今日もとてもあつい1日でした。

先日購入した帽子が非常に役立っています。

さて、気づけばO谷大学にて行っている

中世史料を読む授業も、

残すところ今日を含めて4回となりました。

あっという間の半期だったように思います。

今日は、2点史料を読んだのですが、

そのうち1つが、

尾張国長岡荘と堀尾荘(いずれも近衛家領)の

堺にある葦原領有権をめぐる相論です。

長良川と木曽川の合流地点に位置したであろう

両荘園の間に横たわっていたのが

水辺の葦原・荒野です。

肥沃な土壌を有する葦原は、中世荘園にとって

課税免除の対象となるだけでなく、

重要な資産だったのではないかと思いました。

どちらも、同じ近衛家(当時は基通)が

領主ですから、領主側ではあまり気乗りがしない模様です。

荘園制社会を根底で支える、現場に生きた人びとの

姿に思いをはせました。

残すところあとわずかとなりましたが、

この前半期は今までで一番楽しく

させてもらっているかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

蒸す

2009年6月23日(火)はれ

今日は朝から大学で仕事をしていました。

今抱えている書評の執筆です。

かなり色々と考えさせられるところがあり、

簡単にはいかないので、苦しみながらですが、

ようやく先が見えてきました。

それにしても、ここ数日の暑いこと……。

先日扇風機を出しましたが、

今年はエアコンをかけず、いつまでもつかと思っています。

エアコンは電気代がはねあがりますから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

10年ひと昔

2009年6月20日(土)はれ

今日は非常に暑い1日でした。

午後から、衣笠にある大学にお邪魔し、

ムラの研究会に参加しました。

かつてお世話になったO山K平先生の

研究視座を受け継ぎながら、先生と一緒に

作業をするという研究会なのですが、

かつて、大谷大学にO山先生がおられたときに、

授業で始められ、その現場に立ち会っていたことを思い出しました。

今になってようやくその意図するところ

目ざすところの一片が見えてきたように思います。

思えば、10年近く前……。

10年ひと昔なんていうのはまだまだ先と思っていましたが

気づけばふと思っている自分がいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

校正

2009年6月19日(金)はれ

今日は大学で学部生I君の

卒業論文構想報告をお聞きしたあと、

現在関わっている研究班が出版する予定の

本の原稿校正を担当の方と行いました。

なかなか大変ではありますが、

個人的に編集作業は全く苦にならないので、

楽しく充実した4時間を送りました。

他人の原稿を第三者として、編集者として拝見するのは

とても勉強になります。

普段、何気なく使っている数字の表記など、

編集における基礎的な事項も当然のことながら、

原稿の内容に、学ぶところが多くあります。

かなり疲れましたが、こういった作業に楽しみと

喜びを感じれるというのは、幸せなものです。

明日は、ムラの研究会。

自転車で衣笠まで行くつもりですが、暑い一日とのこと。

また汗だくになりそうな予感が……

| | コメント (0) | トラックバック (0)

鑁阿の足跡に迫る

2009年6月18日(木)はれ

今日は授業で、高野山の勧進聖「鑁阿(ばんな)」の

関連史料を読みました。

最終的には失敗しますが、和泉国の荒野開発に

着手した鑁阿が、荘園領主である高野山に対して

提出した文書です。

高野山から、経営に関してさまざまな要請を受けた

鑁阿が、田舎の慣習に通じた沙汰人を送り込むよう

逆に要請をするくだりは非常に流麗です。

鑁阿は目が不自由だったのですが、

これほどの論理展開、美文を生み出す発想力に

感嘆せざるをえません。

ただ、この文書は、なかなか難しいらしく、学生さんたちは

?マークがついたような状態……。

そんなこともあろうかと、鑁阿以外で、

さまざまな史料・資料が残されている東大寺の

俊乗房重源のことを、勧進聖の事例として、

以前奈良国立博物館で開催された「重源」展の

図録をOHCで影写しながら説明しました。

この目論見が見事に当たりまして、

今まで「何のことやら?」という顔をしていた

学生さんたちの反応が変わりました。

こちらも自然と熱が入りまして、

後半はすべて私の話になってしまいました。

興味をもっていただけるということだけで

どれだけこちらが奮起させられれるか計り知れません。

とても楽しい90分でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«天文日記